2013年8月22日

子どもを愛せないということ

先日、ある駅の改札口でひどく子どもを叱っているお母さんを見かけました。ほとんど自分を見失うほどに大声をあげて、子どもを叩いていました。今の私には、そのお母さんの気持ちがよくわかります。とても疲れているんですよね。きっと長い休息が必要なんだと思いました。

私たちが当たり前と思っていることは、時に誰かを傷つけたり、常識が自分を苦しめることがあります。ここ数年で、出産適齢期の女性たちの自殺率が増えています。また、出産後子育てに自信がもてないお母さんも増えているようです。

この間、参加した母子支援の勉強会で、子どもを産んでも愛着が持てず自分の子どもだと思えないお母さんも中にはいると聞きました。でも、子どもを好きという感情が病気ではないとするならば、子どもを嫌いという感情も病気ではないですよね?と先生はいいました。

お子さんを三人産み育てたお母さんで、その中の1人の子のことをどうしても自分の子だという実感がもてないまま30年が過ぎ、ある日始めて我が子の実感を得ることができた人の話を聞きました。私たち支援者ができることは、子どもを愛せないことの原因の追求ではなく、そんなこともあるよね、これでいいんだという真我(アートマン)の智慧をお母さんが実感でき、今日一日の子育てを自信もってできるように支援することだと話していただきました。

ほんとに、ほんと。

これは、子育てに関わらず、介護や教育の会社や夫婦間などでも起こりうることで、避難されがちな感情かも知れません。第三者からすると、愛されない相手を可哀想に思いがちですが、一番に辛いのは、子どもを愛せない母なんですよね。老いていくパートナーや親を愛せない介護者なんですよね。

子どもを産んだから、すべてのお母さんが幸せで子育ても楽しいお母さんばかりではないということも、みんなに知ってもらいたいと思って今回ブログに書きました。どんな人のことも決めつけないで、あるがままにお付き合いしていきたいですよね。

世の中の流れで、セルフイメージが低い人が増えています。私もその1人ですが。1人1人のセルフイメージを高めていくことが、これからの社会を健やかにしていく近道のように思いました。